無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「本当に欲がないな。わかった。そこまで言うなら、王宮に住まぬことは認めよう。ただし、王子としての身分は保つ。そうすれば、王位継承権を放棄しても王族として得られる利権は享受できるだろう。与える財産も、そなたが望む形で使うがよい」

 リディアはひゅっと息を呑む。
 破格の待遇だ。国王なりに色々考えて、レイにとって最も望ましい形になるよう整えたのだろう。

「加えて、そなたには王国最強の魔術師として称号を与える」
「称号?」
「ああ。本当であれば魔法庁の長官に任命したいのだが……それも嫌なのだろう?」
「だって、魔法庁にはリディアがいないから」

 国王は苦笑した。

「ならば、そなたの望む形で過ごせばよい。ただひとつ、条件がある。結界を維持することと、魔法庁で手に負えない案件が発生した際は力を貸すこと」
「まあ、そのくらいなら。そもそも、結界が壊れると魔獣が入ってくるからリディアに危険が及ぶもんな」

 レイは頷く。
 どこまでもリディア至上主義な態度だ。

「本当に、その娘が一番なのだな」
「当たり前だろ」
「少しは否定してよ……」

 リディアは恥ずかしさで俯いた。



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