無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 その後、カーティスは魔法庁の副長官に任じられた。
 身分を理由に冷遇されてきた彼にとって、それは正当な評価だった。

「身に余る役職で緊張しますが、精いっぱい頑張りたいと思います」

 そう言ったカーティスの顔は、とても晴れやかだった。
 そして、カーティスから復帰を望まれたシリルは、無事に王宮魔術師になった。

「面倒くせえが、あの腐った塔を立て直すには人手がいるからな」

 そう言いながらも、どこか楽しそうだ。
 そしてレイはと言うと、魔法庁の名誉長官という無理やり作ったとしか思えない役職に名前が連ねられ、結界を張る役目以外に、魔術の研究の際などに支援を行っている。


 そして、リディアは──。

「うー、苦い!」

 朝の日課である薬草で作った特製ジュースを飲み、リディアは顔をしかめる。
 今日はリンゴのすりおろしを入れてみたが、あまりの苦さでりんご味はゼロだった。

「その薬草さ、魔力の成分だけを抽出して錠剤にしてみようと思うんだ」

 あまりのまずさに涙目になるリディアを見つめながら、レイは言う。

「錠剤? そんなことできるの?」
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