無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「それはこれからの研究次第だけど、できるんじゃないかな」

 レイはあっけらかんという。
 
「それ、すごく助かる! 本当に助かる!」

 リディアは喜びのあまり、身を乗り出す。
 植物から魔力を吸収できるのは助かるのだが、なにせこれらの薬草は苦い。この特製薬草ジュースを飲み始めて早五年近いリディアでさえ、あまりの苦さに毎朝悲鳴を上げるほどなのだ。
 それが、錠剤ひとつで済むようになったらどんなに助かるか。

「成功したら、その錠剤を一般の流通に載せたいんだ。ほら、フォシニが禁止されて、魔力の確保に困っている人が多いから」
「あ……」

 リディアはハッとする。
 あの事件のあと、フォシニを奴隷のように扱うことが禁止され、魔力は原則として双方の同意のもとに融通することになった。それにより、少なからず魔力量の確保に奔走する魔法使い達が現れているのもまた事実だった。
 レイはその現状を見て、なんとか薬で解決できないかと考えているようだ。

(魔法庁長官なんて絶対に嫌だって固辞してたけど、レイはきちんと国のことを考えているんだね)

 知らなかったレイの一面を見て、また好きになる。

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