無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「もしかして、嫌だった? リディア、自分の店を持ちたいって言ってたから、ここがいいかなと思ったんだ」

 その表情を見て、リディアはハッとする。レイはリディアのことを思って、足を運んで店舗を見て回り、ここを買ったのだ。
 そう思ったら、胸がいっぱいで言葉が出ない。

 感激で涙が滲む。

「リディア⁉ 泣くほど嫌だったのか?」
「違うの! 嫌なわけない……」

 慌てふためくレイに、リディアは言う。

「ずっと、夢だったの。こんな素敵な店を持つのが」
「じゃあ、よかった」

 レイはほっとしたように笑った。

「……ありがとう。ありがとう、レイ」

 もう耐えきれず、リディアはぽろぽろと泣き出す。
 レイは少し戸惑ったような様子を見せたが、すぐにリディアを抱きしめた。

「リディアが望むなら、何だってするって言っただろ」
「何だってはしなくていいわ」
「する」
「もう」

 レイの胸の辺りを、軽く叩く。
 笑いながら顔を上げると、真剣な表情でこちらを見つめるレイと視線が絡まった。リディアの胸が、どくんと跳ねる。

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