無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「リディア。終わったよ」
「ありがとう。助かったわ」
「うん。……それだけ?」

 レイは、目をキラキラさせてリディアを見つめる。

(レイがもし動物だったら、絶対に犬だわ)

 それも、飛び切り人懐っこい大型犬に違いない。
 褒めて、褒めてと言いたげな態度に、リディアはレイの頭をいい子いい子と撫でる。レイは嬉しそうに目を細めると、リディアにぎゅっと抱きついてくる。

 リディアに心を許してからというもの、レイはとっても甘えん坊だ。
 食事のときは隣に座りたがり、掃除をしていれば後をついて歩き、夜になると「一緒に寝ないの?」と真顔で聞いてくる。もちろん、それは断固拒否してひとりで寝かせた。レイはとっても不満そうに口を尖らせていたが。

「レイはすぐ抱きついてくるのね。そんなにくっついていたいの?」
「うん」
「どうして?」
「落ち着くから」

 本人に悪気がないのはわかる。
 けれど、正直リディアは落ち着かない。

「……私は落ち着かないんだけど」
「そのうち慣れるよ」
「慣れさせる気なのね」

 レイは少し笑う。どうやら図星だったようだ。

「あざといのね」
「嫌いになった?」

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