無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 不安そうにレイが瞳を揺らす。

「ううん。そんな訳ないでしょ」

 にこっと笑うと、レイは「リディア、大好きだよ」とまた抱きついてくる。

(しょうがないなあ)

 助けただけ。
 行く当てがないから置いているだけ。
 それなのに、こんなに懐かれたらいざひとり立ちするときにリディアのほうがさみしくなってしまいそうだ。

「今日の午後は、今作ったお薬を納品がてら、買い物に行くつもりなの。一緒に行く?」
「行く」

 レイは即答する。

「じゃあ、早速準備していきましょう」

 リディアは未だに抱きついているレイの胸を押しのけると、愛用の買い物かごを手に取った。

「私はお薬を納品しに行くから、レイは先にお店を見ててくれる?」
「リディアと一緒に行っちゃだめなの?」
「いいけど、別々に行動したほうが用事が早く終わるでしょう? お店を先に見て、お買い得品をチェックしておいてほしいの。わかった?」
「……うん」

 レイはどこか納得していないような表情を見せたが、最終的には頷いた。

「パンと、お肉とお野菜を買いたいのだけど、全部で5キャラット以内に収めたいわ」
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