無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「あっそう。じゃあ、突き出せば? ところで自称紳士サンに聞くけどさ、さっきの茶番は何なの? 自分のフォシニを道端に座らせて施しを与える演技するとか、キモ過ぎ」

 レイの言葉にリディアは驚く。

(あの人、セドリック様のフォシニなの⁉)

 リディアは道の傍らに座っている男を見る。やせ細り、服もボロボロだ。もし彼がセドリックのフォシニなら、わざとあんな格好をさせた上で自分が向かう先に座らせておいたということだろうか。

「何を言っているのか、意味が分からないな」
「本当にわからないなら、相当頭が悪いんだね。こんなに自分からあいつの魔力を漂わせているのに、フォシニじゃなかったらなんなんだよ」

 レイは挑発するように言う。

「ええ? 自分のフォシニ? どういうこと?」
「慈悲深く見せるための演技だったってこと?」

 遠巻きに眺めている女性たちがざわつき始める。リディアはセドリックとレイのやり取りを呆然と見つめた。

(全然知らなかった……)

 どおりで、彼の行く先々に都合よく恵まれない人がいるわけだ。

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