無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「……天に与えられたものを存分に発揮するなら、接客?」

 リディアは、レイほど整った見目の男性をこれまで見たことがない。女性に人気の飲食店や店舗で接客をしたら、間違いなく人気が出るだろう。
 
「なんだよそれ?」
「レイは綺麗な顔していて、かっこいいから。もてるものは利用したほうがいいわ」
「ふーん。リディアも俺のこと、かっこいいって思ってくれているんだ?」

 顔を覗き込まれ、リディアは慌てて距離を取る。

(近い、近い!)

 そんな近距離で顔を覗き込まないでほしい。なまじ顔が整っているだけに、ドキドキしてしまう。

「世間一般的に見て、そうだと思うわよ」

 なんだか気恥ずかしくて、ぶっきらぼうな答えになってしまう。けれど、当のレイはとっても嬉しそうだ。

「リディアも可愛いよ」
「……それはどうも」

 お世辞なのだろうが、嫌な気はしなかった。



 馬車に三十分ほど乗って町に到着したリディアは、レイを連れて大通りに向かった。大通りが一番店の数が多く、求人票もたくさん出ているからだ。

「レイ。これなんてどう? すぐに体験入店できるみたいだよ」

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