無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
リディアはたまたま目についた、飲食店の求人票を指さす。提示されている給与の額も悪くない。
「リディアが選んだなら、それでいいよ」
「こら。ちゃんと真剣に選んで」
「真剣だけど?」
相変わらず、レイは掴みどころのない。
「じゃあ、お店の人に声をかけてきなよ」
「リディアは?」
「私は少し寄りたいところがあるから、用事が済んだら戻ってくるわ」
「置いて帰らないでね」
「わかってる。ちゃんと待っているわ」
どこか不安げなレイをみて、リディアは困ったように微笑む。
レイはリディアに対して随分気安い態度をとるようになったけれど、まだ一緒に暮らし始めて一ケ月しか経っていない。ずっと地下室にいたのだから、勝手が違いすぎてひとりだと不安なことも多いのだろう。
「じゃあ、またあとでね」
リディアはレイに手を振ると、元来た道を歩く。
そうしてたどり着いたのは、看板もない一軒の古びた店舗だ。
「師匠、こんにちはー」
リディアはドアを開けつつ、声をかける。
店のカウンターの向こうで本を読んでいた中年男性──リディアの調薬の師匠であるシリル・ドレイクは、おもむろに顔を上げた。
「リディアが選んだなら、それでいいよ」
「こら。ちゃんと真剣に選んで」
「真剣だけど?」
相変わらず、レイは掴みどころのない。
「じゃあ、お店の人に声をかけてきなよ」
「リディアは?」
「私は少し寄りたいところがあるから、用事が済んだら戻ってくるわ」
「置いて帰らないでね」
「わかってる。ちゃんと待っているわ」
どこか不安げなレイをみて、リディアは困ったように微笑む。
レイはリディアに対して随分気安い態度をとるようになったけれど、まだ一緒に暮らし始めて一ケ月しか経っていない。ずっと地下室にいたのだから、勝手が違いすぎてひとりだと不安なことも多いのだろう。
「じゃあ、またあとでね」
リディアはレイに手を振ると、元来た道を歩く。
そうしてたどり着いたのは、看板もない一軒の古びた店舗だ。
「師匠、こんにちはー」
リディアはドアを開けつつ、声をかける。
店のカウンターの向こうで本を読んでいた中年男性──リディアの調薬の師匠であるシリル・ドレイクは、おもむろに顔を上げた。