無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
 こういう純粋なところが、なんだかんだで可愛いと思ってしまう。

「うん。頑張れ」

 リディアもにこりと微笑んだ。


  ◇ ◇ ◇


 その日から、レイは町に行くのが日課になった。魔法を教わりに、シリルの元に行くのだ。
 リディアは以前からだいたい数日おきに町に向かい、買い物をしたり薬を納品していた。今は、そのあとレイの訓練の様子を覗きに行くのが定番だ。

「魔力の流し方が粗い。もっと細く制御しろ」
「くっ!」
「そんな力任せじゃ、いずれガタが来るぞ。それとも、お前はその程度か?」

 シリルの叱責が飛ぶ。
 もう嫌だと駄々をこねるのではないかというリディアの心配をよそに、レイはシリルのしごきについて行っていた。
 何度も何度もやり直ししては、それを自分のものにしていく。

(……レイ、すごい)

 レイの成長は、異常なほど速かった。
 シリルに教えられたことは確実に習得し、一度見せられた魔法は正確に記憶する。魔力の流し方も指摘されればすぐに修正し、あっという間に力をつけてゆく。

 普通なら数ヶ月かかることを、レイは何倍ものスピードででやってのけているように見えた。

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