無能魔女の甘すぎる誤算 ~成り行きで助けた最強魔術師様が熱烈に求愛してくるのですが~
「いや、褒めてるんだか貶してるんだかわからん言い方になっているが、褒めているんだ」

 シリルは慌てたように申し開きする。


「……レイ。お前、誰かのフォシニだったって言ってたよな? 誰のフォシニだったんだ?」
「わからない」
「あ?」
「あいつの名前、知らない」
「ああ、なるほどな」

 シリルは食べ終えたスイカの皮を捨て、腕を組む。

「これだけの力を持った奴をずっと地下室に監禁するって、なかなかできることじゃないぞ。しかも、そいつがレイのことをソルヴィアだと気付いてなかったとは思えない」
「それって、レイがソルヴィアだと知りながら、拘束していたってことですか?」
 
 リディアは驚き、シリルに聞き返す。

「確証はないが、恐らくな」
「そんな……」

 この国ではフォシニは奴隷として認められているが、魔法使いは希少性ゆえに国から優遇されている。ましてや、魔力を自ら作り出し魔法を使えるソルヴィアの希少性は言うまでもない。
 ソルヴィアだとわかっていて奴隷にしていたのだとしたら、明確な法律違反だ。

「本当にひどいやつね」

 許せないと思った。
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