モフモフ王子様のお世話係になりました!~イケメン王子と秘密の共同生活~
15話 囚われの執事
リビングのテレビからニュースが流れた。
『速報です! 一昨日、日本に到着したパンダ、“モフモフ王子”が動物園にお目見えしました!』
画面には、まんまるしたパンダがのそのそ歩く姿。
「はぁ〜、ほんとかわいい!」
わたしは画面にくぎ付け。
けれど、隣のソファーにいるリアンはなぜか固まっていた。
「ど、どうしたの?」
リアンの顔はみるみる青ざめていく。
「あれは……執事のミンランだ」
「えっ? 執事? ちょっと待って、パンダでしょ?」
「ちがう!」
リアンが鋭く遮った。
「彼は……兄上を探すために日本に来た私の身代わりとなり、“パンダの姿”にされてしまったのだ」
「……は?」
あまりの情報量に、わたしは口をあんぐり。
「ど、どういうこと? わかるように説明して」
リアンは画面から目を離さず、ぎゅっと拳をにぎる。
ミンランさん、それだけ大切な人なんだ。
リアンはわたしでもわかるように、順をおって説明してくれた。
華琉国には王家と敵対する組織、黒蓮がいること。
リアンが日本に向かおうとした時、黒蓮とつながっている大臣にだまされて、パンダにされそうになったこと。
それを助けてくれたのが、幼なじみで執事のミンランさんということ。
そして、必死に逃げてここへたどり着いたこと――。
「私の判断が甘かった。ミンランを身代わりにすべきじゃなかった……。あのままでは、いつ人の姿に戻るとも限らぬ」
そして、はっきり言った。
「助け出さなければならない!」
「えっ、あの動物園から!?」
「そうだ」
ニュースキャスターの声が明るく響く。
『今週末にはお披露目イベントも予定され……』
リアンはつぶやいた。
「週末までに、必ずミンランを救う」
いつになく凛々しい表情に、胸がドクンと鳴る。
――これが、本物の王子の顔だ。
そのとき。
「天音!」
背後から声がして、わたしは跳ね上がった。
「ぎゃっ、パパ!?」
パパはニコニコしながらリアンの肩をポンと叩く。
「いや〜、あのパンダかわいいよなぁ! リアン君、今度一緒に見に行こうぜ!」
「……パパ殿。それは妙案だ」
リアンがにやり。
わたしはイヤな予感を覚えた。
――リアンは絶対、なにか企んでる!
