敗戦国の皇子に片想いしてしまったら、思ったよりも溺愛されました
剣を下ろし、片手を上げる。

その声だけで、胸が跳ねる。

「そんな窓辺に座っていたら、落ちてしまうぞ」

「そしたらノアが受け止めてくれるでしょ」

思わず言ってしまってから、自分で頬が熱くなった。

けれどノアは一瞬目を丸くしたあと、楽しそうに笑った。

「それは責任重大だな」

「受け止めてくれないの?」

「もちろん受け止める」

その言葉に、また胸が高鳴る。

私達は自然と笑い合った。

この瞬間だけは、敵国の皇女と敗戦国の皇子ではない気がした。

ただのフィオナと、ただのノア。

そんなふうに思えてしまう。

「ねえ、ノア」

「何だ?」

「お茶を飲みに、私の部屋に来ない?」

誘った瞬間、ノアの後ろにいた家臣の一人が表情を硬くした。

そして慌てたようにノアの腕を掴む。
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