君が照らす人生は、いつだって温かい
第八章
自分の弱さ
診察室の天井には、小さなシミが三つあった。
ひとつ、ふたつ、みっつ。
数えているあいだだけ、何も考えなくて済む。
「春日井くん」
白衣の先生の声がして、現実に引き戻される。
「画像、見てもらおうか」
モニターには、モノクロの足首が映っていた。
俺の左足首。
骨の輪郭。
その一部に、うっすら白い線。
「ここ。ヒビが入っているの、分かるかな」
先生がマウスでその部分を丸くなぞる。
はい、と口では答えたけど、
正直よく分からなかった。
ただ、『ヒビ』という言葉だけが、
やけにクリアに頭の中に残る。
「それから、靭帯がかなり傷んでいる」
別の画像が表示される。
「前十字靭帯と、外側靭帯。どちらも〝無傷〟とは言えないね。手術する必要がある」
無傷じゃない。
じゃあ、『有傷』か。
バスケットボール選手あるあるの怪我、
とは美由紀から聞いていた。
でも。
手術って。