台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「ねぇ陸くん。…ドキドキした?」


「――、はッ!?」

陸の目がバグったみたいに泳ぎまくる。

周りもみんな空気に飲まれて固まってるから、こっそり素の笑いが漏れてしまった。

「なーんてねっ♡じゃ、瑠奈これ置いてくるから〜♡」

口を絞った紙袋を揺らして、軽やかな足取りで自室に一旦下がる。


カメラを背にしたひよりが、まるでヒーローでも見たかのように泣きそうな目を輝かせて、私がいなくなった場所を見つめている。



――そして、同じ場所を見ている人がもうひとり。

蜂蜜色の前髪の下で、紫苑の目が妖しく光っていた。


< 120 / 176 >

この作品をシェア

pagetop