台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「ねぇ陸くん。…ドキドキした?」
「――、はッ!?」
陸の目がバグったみたいに泳ぎまくる。
周りもみんな空気に飲まれて固まってるから、こっそり素の笑いが漏れてしまった。
「なーんてねっ♡じゃ、瑠奈これ置いてくるから〜♡」
口を絞った紙袋を揺らして、軽やかな足取りで自室に一旦下がる。
カメラを背にしたひよりが、まるでヒーローでも見たかのように泣きそうな目を輝かせて、私がいなくなった場所を見つめている。
――そして、同じ場所を見ている人がもうひとり。
蜂蜜色の前髪の下で、紫苑の目が妖しく光っていた。