台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

Ep.11 その仮面は、夜に剥がれる


22:00。

撮影が終わった、消灯時間。
2人きりの女子部屋に、ひよりが思いっきり手を合わせた音が響いた。

「本当に……っ。
ほんっとうにありがとうございましたぁ!」

私のベッドに飛び込んできたと思ったら、間近で正座されて面食らう。

背中を丸めて手を合わせる姿は、チンチラとかハムスターとか、そんな類の小動物みたいだ。

「……別にぃ?瑠奈的においしいって思ったからやっただけだよぉ?」

にっこりと笑いながら、さりげなく後退りする。

するとひよりは、がっちりと私に縋り付いてきた。

「いえっそれでも!それでも瑠奈ちゃんは、私のヒーローです!」

うるうるとした小動物の目が私を見上げる。


なんかすごいむず痒い!
だから咄嗟に目を逸らした。


「えー。瑠奈、女の子だからぁ。
ヒーローとかヤなんですけどぉ」

距離を取れ距離を取れと唱えながら、そっとひよりの肩を押して引き剥がす。

すると、ひよりが急にしおらしくなって項垂れた。

「……今までごめんなさい。
瑠奈ちゃんはやばい子だから近づかないほうがいいって言われたのをそのまま信じてしまって。避けていました」

ひよりの言葉の中に、聞き流せないものが混じっている。

だから優しく微笑んで、猫撫で声を出した。
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