台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「髪、ホントはストレートなんだね」
落ち着いた静かなトーンが妙に色気を放つ、
昼の紫苑とは違う声色。
色素の薄い瞳は、まつ毛が翳って妖しく細まる。
異変を感じている心臓は、ずっと落ち着かない。
「えと……、そうなの。
瑠奈、可愛いは作る派だからぁ……」
何言ってんだ?私。
はは、と思わず乾いた笑いも漏れた。
「ねぇ、瑠奈ちゃん」
色っぽく低くなった紫苑の声が、私の名前をそっと囁く。
思わず心臓が大きく跳ねた。
「あの紙袋の中身――
瑠奈ちゃんのじゃないでしょ」
反射的に後ろに下がる。
半歩で洗面台にぶつかって、ガタッと音を立てて行き止まった。