台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
紫苑が静かに洗面台に手をついて私を追い詰める。
心の中で深呼吸して、もう一度可愛い笑顔を取り戻した。
「んーん、瑠奈のだよ?」
紫苑がクスッと小さく笑う。
「違うでしょ。
瑠奈ちゃんのっぽくなかったし。アレ」
こいつ、やっぱり陸より先にあれを見つけてた……!
思わず表情が歪みそうになったのを、息を止めて堪える。
目の前にいるのは本当に紫苑?
キラキラオーラどころか、ちょっと淀んだ空気纏ってるんですけど!
このまま主導権取られてたら何を聞かれるかわからない。
必死に頭を回転させて、ここを上手く切り抜ける方法を考える。
紫苑は反応を楽しむかのように、近い距離で私を見下ろす。
まずい、頭真っ白。
とりあえず何か、何か喋ろう――