台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
やばい、これ観られたら気まずいやつ!
「ちょ、早く返して」
まずはスマホを取り返そうとして手を伸ばす。
爽真がひょいと立ち上がって、スマホを私から遠ざけた。
「無理。人を公開処刑しといて自分の見せないとか、なしだろ」
「処刑してない。検閲してただけ」
「よりタチが悪い」
爽真の肩に手をかけて、ぴょんぴょんと跳ねて片手を伸ばす。
爽真にしっかり腕を真上に伸ばされてしまうと、もう何をしても届かない。
『紫苑くんかっこいい♡』
『大和くんかっこいい♡』
『陸くんかっこいい♡』
と、名前を差し替えただけのピンクテロップが続く。
ここまでは観られたってどうでもいい。
問題は、最後の爽真への印象……っ!
かっこいいが続くたび、徐々に不服顔になっていく爽真のTシャツの袖にしがみついて、悪あがきで手を伸ばす。
だけど無情にも、動画はしっかり流れ続ける。
『爽真くんはぁ……』
あ――、終わった。