台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「そういうことだから。楽しもうね?
瑠奈ちゃん」
身構えている私を追い越して、紫苑は先に家の中に入っていく。
カメラの前では“頑張ろう”だったくせに。
裏表激しすぎない?成宮紫苑。
(――って、私が言えたことじゃないけど)
飲まれるのはよくない。考えろ。
ストーリーを盛り上げるための、意図か何かがあるのかもしれない。
首元に伝う汗を拭って、冷静になれと息を吐く。
この時の私は、みんな私と同じで仕事をしにきてるんだと思ってたから、考えたこともなかった。
“意図”とか、“策”とか。
この舞台には理屈じゃない動機で、
動くものがあるんだっていうことを。