台本通りの恋はしない!
(この人たちで試してみよう。
私の役が、ちゃんと憎めない悪役になれているか)
「……よかったぁ。早すぎ仲間がいたぁ」
声はいつもよりワントーン明るくして、語尾は程よく伸ばして、上げる。
初対面から、自然にタメ口。
ワードチョイスは、ちょっと幼めに。
「気合い入れすぎたなってどんよりしてたの。
だから嬉しい。よろしくね♡」
ふにゃっと音がしそうな笑顔と、上目遣い。
手はデフォルトで口元。
目の前のひよりがほうっと惚けた視線を向けて、
まだ入り口で止まってる陸の頬も少し赤くなったのを確認した。
――よしよし、ちゃんと女子にも効いてるな。
私の演技プランは、
ちゃんとかわいい、天然あざと女子。
数々の恋リアを観て、学んだ。
男子の前でだけかわいこぶる奴は嫌われる。
けど、いつでもどこでも、誰の前でもかわいこぶってる子は、“そういう性格の子”って個性になる。