台本通りの恋はしない!
「あっ私は香月瑠奈。瑠奈でいいよ♡
立ってるのもなんだし、そこ座ろっ
……怒られないよね?たぶん」
明るく話しながら、大きなソファの前に回り込む。
はいどうぞ、と誘導した2人を先に座らせて、私はひよりの隣に座った。
天然魔性を個性にするには、女子に媚びるのは超重要。
だれにでもこうなら、男に色目使ってるってヘイトも買いにくい。
「あ〜、瑠奈ちゃんが話しやすい子で安心しましたぁ。
わたし人見知りで……今日どれだけ緊張してきたか!」
「いや、春野さん駐車場からここに来るまでめちゃくちゃ喋ってたッスよね?人見知りの説得力皆無なんスけど!」
わはは、と笑いが起きて、和やかに雑談が広がっていく。
……うん、思ったより楽勝じゃない?
恋リア生活、もう希望が見えてきた。
他の出演者はどんな人かわからないけど、この2人は根が素直そうな気がする。
それなら、ちょっと探りも入れてみるか。
「そういえば、――2人はキャラ設定ってどうなってるの?」
会話の途切れ目で、少しテンションを落として聞いてみる。
2人の笑顔がピタッと止まって、目が丸くなった。
「え…?設定?」
「って――なんスか?」
あれ、何この反応。
本気で戸惑ってるみたいに見える。