台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「――!」
試されてる。
カメラがないとこで、本意じゃないことされても“瑠奈”を貫くのかどうか。
確かにこんな美味しい誘い、乗らないなんて“瑠奈”じゃない。
ただ、先に照れや動揺を見せたら負ける。
上手くやらないと。
「いいのー?美玲ちゃんに見られたら、誤解されちゃうよ?」
躊躇わず紫苑の手を取って、指を絡める。
そのまま隣に並ぶと、背伸びをして意地悪くそう耳打ちした。
「それは困る。けど、言ったでしょ?
ホントの本命は瑠奈ちゃんだって」
……表と裏を混在させないでほしい……!
爽やかな笑顔が不敵な悪魔の笑みに見えて、心臓が勝手に脈拍を速める。
手を繋いだまま前後に並んで歩く紫苑の蜂蜜色の髪は、上機嫌に揺れている。
――何が目的?
そう聞きたいけど、“瑠奈”の私じゃそうはいかない。
こういう時、“瑠奈”って不便。
頭お花畑設定にしなきゃよかった。
なんて考えていたのを知ってか知らずか、後ろ頭のままの紫苑から声がした。