台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「今回のラブ・ミッションは――
【ビーチで遊ぼう!】です!」

進行カードを持った大和が、ハキハキと内容を読み上げる。

日焼けなんて気にしませんって感じの態度。

サッカー部にいそうってイメージを、一切裏切らない引き締まった体つき。
太陽の下に立っているだけで、絵になるタイプだ。


(普段優しそうなのに、夏の日差し似合いすぎ。
これはまたギャップでファン増やしたな……)


説明そっちのけで、大和より私側にいる紫苑にメロついている演技をしながら、心の中で頷いた。


「真夏のビーチで、みんなで仲良く遊んでください。
意中の人がいる人は、積極的に声をかけること!」


「おおっ!?」と煽る陸と紫苑の声が重なる。

女子達も「えー?」と、まんざらでもなさそうな顔で目配せし合っている。


「――と、言うことでー……」

ミッションの説明を読み切った大和が、カードをパン!と叩いて、意味深な視線を右側に送る。


「一緒に遊ぼ。彩加」


柔らかく笑いかけたその先には、ターコイズブルーのビキニを身につけた彩加がいた。

「ゔぇっ!?あたし!?」

「そー。彩加!」

ニッと少年っぽく笑う大和に、頬を染めてドギマギした顔をしている彩加が連れていかれる。

昨日の一件から、ほんのちょっとだけ大和が積極的になっているような気がする。

いい意味で彩加に対して、引け目や遠慮がなくなったというか。


向日葵迷路の中で、ちょっとは進展があったのか。
……なんてね。


先陣を切った大和の行動に煽られた陸が、大急ぎで手を挙げた。

「ひよりっ!行くぞ!」
「もちろんですっ」

陸の水着はオレンジ色で、色も柄もやかましい。

そんな陸に手を引かれて、ミントグリーンのワンピースタイプの水着をひらひら揺らしながら、ひよりが小走りでついていく。


ここまではたぶん、仕込みなし。


ここからは――ハイ。

台本通り。
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