台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
紫苑の腕にしがみついたまま、思いっきり頬を膨らます。
可愛く唇を突き出して、拗ねた顔を作ってみせた。
「やだやだっ!瑠奈も紫苑くんと遊びたいっ!」
子供っぽく体を揺すって駄々をこねる。
その瞳には、紫苑以外は映さない。
(どう?満足?)
そんな風に心の中でほくそ笑むけど。
このムーブには、実は別にもっと大事な狙いがある。
――昨日寝付くまで、考えていたの。
爽真と約束した、悪女のまま視聴者に受け入れてもらうための作戦。
題して、【世間が受け入れる悪女への道】!
……これは、その1。
“矢印を一本に絞る”。
今まで演ってきた【隙あらば誰にでも色目を使う女】は、どう切り取っても嫌な女。
けど、その目を紫苑だけに向けるようになったら?
強引な悪女ムーブも、
“恋に必死になっている”って受け取ってもらえるかもしれない。
まあ、要するに。
節操なしの悪女より、一途な悪女の方がまだマシ作戦
である。