台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
水が重く、全身に絡みついて水面に顔を出すことができない。

自分で体を浮かせるってどうやればいいの!?


悪戯にしたってやりすぎでしょ!
――何を隠そう、私、泳げないっ!


こういう時は無駄に騒いじゃいけないってことだけは知ってるから、目を瞑って出来るだけ力を抜こうとする。

でもやっぱりパニック状態の体は、ぶくぶくと水泡を立てて波打つ水中に囚われる。


――たった数秒が、永遠に感じる長さ。


「落ち着いて!足つくって!」


その時――
すごく焦った声とともに、私の体にしっかりとした腕が回って力強く引っ張り上げられた。


「――、ぷはっ」


ザブンと顔が水面に上がって、空気が取り込めるようになる。


何が何やら、わからないまま。

ぽたぽたと水を滴らせながら、私は誰かの肩に体を預けてしがみついている。

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