台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「うん、似合う♡瑠奈、紫苑くんにはこれがいいと思う♡」
紫苑の肩あたりに浴衣をあてがって、満足げにひとつ頷く。
くすんだブルーが紫苑の蜂蜜色の髪と対比されて、爽やかなのに上品さもある。
我ながら完璧な選択だ。
紫苑がそっと浴衣を手で押さえて、自分の体に当てたままそれを引き受ける。
浴衣に落ちた瞳が、嬉しそうに細くなった。
「せっかく選んでもらったし、明日はこれを着ようかな」
“選ばせたからには着る”
そんな責任感で決めたみたいなセリフの割に、その微笑みは蕩けそうになっている。
(……本当に何!?全く意図が読めないんだけど!)
紫苑が、私に惹かれてるみたいな表情を作る意味がわからない。
「うんっ♡楽しみにしてるね♡」
甘い笑顔の裏で、私の警戒は強まるばかりだった。