台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
“〇〇好き?”
“好き”
“私・俺も”
これ。
お互いに興味を持ってるようで、持っていないような、上辺の会話。
……まぁ、視聴者は少女漫画みたいな甘さを求めてるわけだし、実際ウケてるから正解か。
そもそも2人は、台本通りにカメラの前で恋してるだけ。
気持ちまで本物にしろなんて、難しいよね。
(……まぁ、私なら演ってみせるけどね!)
心の中で闘志を燃やす。
2人の人気に嫉妬して、着火した炎だ。
紫苑と美玲が仲良くかき氷を半分こしたところで、場面が切り替わる。
『BBQを成功させよう!』
テラスに全員集合したミッションのタイトルコールと説明の後、まずはキッチンチームのVTRが映った。
いるのは、エプロン姿の紫苑・大和・彩加・私。
彩加の豪快な料理手腕を、呆れながらも優しくフォローする大和のエピソードから始まって、私と紫苑のターンになった。
映像の中の私はメロついた甘い声と表情で、紫苑の隣にぴったり張り付いている。
美玲の嫉妬と不安がないまぜになったカットも映って、コメント欄も「しおんから離れて」「やめろ」で荒れ狂う。
「っ、!?」
険しい顔をした爽真が、不意に私の右手を握ってきた。
「……爽真?」
「……」
手の力がちょっと強まる。
驚いて飛び出かけた心臓が、ドキドキと強さを保ったまま脈を打ち続ける。
爽真は映像に集中していて、反応がない。
観たくないけど目も離せない。
まさにそんな感じの様子。