台本通りの恋はしない!

エアコンの冷風が吹き抜けた――と思ったら、大勢の視線が一斉に私に集まってくる。


(人多っ……さっきまで3人だけだったのに)


今初めて見た共演者っぽい人達と、忙しく動き回るスタッフ多数。

ちょっといなくなってる間に急に現場の空気になっていて、ピンと張り詰めている。


(……美玲……)


そんな中でも、彼女に最初に目がいってしまう。
たぶん、その時の私は荒んだ心が滲み出てた。


「ね、あの子……美玲のこと睨んでるんだけど……」
「え?」

美玲の隣にいたギャル風の女の子が、顔を顰めて美玲にそう耳打ちをした。

美玲はちら、と私を見てすぐに視線を外す。
それからふっと微笑んだ。

「そうかな?気のせいだよ、きっと」

ひよりと陸も、さっきまであんなにフレンドリーにしてくれてたのに――
今は気まずそうに私と目を合わせないようにしてる。

スタッフの差金?そこまでする?

……誰がそうしたのか知らないけど、
ちょっと席を外してる間に、私は孤立させられたらしい。
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