台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「うおっ大和撫子!」
「おい、バカ!」
うっかり赤面して声を上げる陸の口を大和が塞ぐ。
真っ白な布地に、淡い色の青と赤紫の朝顔が蔓を伸ばす古典柄。
きちんと後ろでまとめた髪は後毛ひとつなくて、正統派・清楚そんな言葉を体で表す。
しゃなりしゃなりと歩く姿が、儚げで綺麗で、男子どころかスタッフたちの視線も奪っていった。
――そんな美玲が、爽真の前に立つ。
「……どうかな?爽真くん」
ほんの少し頬を染めて、澄まして組んだ手はちょっと落ち着きがなくて。
緊張を逃して微笑みながら俯く姿は、ただの女の子だった。
ずっとドアに向かっていた爽真の視線が、美玲に落ちる。
周囲からは“褒めろ”の外圧。
その目はただ、無難な言葉を探すために瞬いている。
「……似合うんじゃない?」
言って、すぐに逸れる視線。
下を向く美玲の顔が、嬉しそうに綻んだ。
美玲と爽真のお披露目シーンを撮り終えると、彩加、ひよりも順番にリビングに入ってくる。
ほわっとしたオレンジ色のひまわり柄と、主張の強い真っ赤な椿。
それぞれペアの隣に並ぶと、画面が一気に華やかになった。
「じゃ、最後は瑠奈か」
ほぼ全員集合して止まらなくなってきた雑談を、大和が上手に中断させる。
再び静かになって、リビングのドアが開け放たれた。