台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「え…えー、やったぁ♡
じゃあ今日はぁ…紫苑くんのこと、いーっぱいキュンキュンさせちゃうね♡」
だから、反応も数拍遅れる。
胸がいろんな感情で、不整脈を刻んでいる。
(ここ数日の紫苑の演技プランが本当にわからない。
私に何を求められてる?このムーブで本当に合ってるの?)
スタッフの反応を盗み見ても、事務的に撮影を続ける様子からは何も読み取れない。
シナリオを知らないキャストもいる中では、カメラは絶対に止まらない。
「花火大会、楽しみだねっ♡」
混乱を抱えながら、紫苑の前で一生懸命恋する悪女を演じ続ける。
その横顔を見つめる爽真が、伸ばしそうになった手を握り込んで体の横に留めていた。


