台本通りの恋はしない!
Ep.0 はじまりの、夏
――7月1日。
「倒産寸前!?」
17歳の夏。
エアコンも微妙にしか効かないオンボロ芸能事務所で、私は声を張り上げた。
「おう。実は2、3年前から経営が怪しくてな」
目の前のデスクにどっかりと座る50代半ばくらいのイケオジ風のおっさん――
もとい、このフジイ芸能事務所の社長・藤井 正は、悪びれた様子もなく偉そうにそう言った。
「2、3年前って……
ちょうど!私が!スカウトされた頃!ですよね!?」
胸まで真っ直ぐに伸びた長い黒髪を揺らして、年季の入ったデスクをバンバン叩く。
ガタつくステンレス製の机面が立てる大きな物音に、社長は煩わしそうに眉を顰め耳を塞いだ。
――私の名前は、香月 瑠奈。
つい最近17歳になったばかりの、華の女子高生。
チャームポイントは黒髪ストレートの、つやつやロングヘア。
コンプレックスは、ちょっと童顔なところ。
綺麗目メイクと服装で、上手くカバーしようとはしてる。
そして、職業は……
“一応”、女優。
「倒産寸前!?」
17歳の夏。
エアコンも微妙にしか効かないオンボロ芸能事務所で、私は声を張り上げた。
「おう。実は2、3年前から経営が怪しくてな」
目の前のデスクにどっかりと座る50代半ばくらいのイケオジ風のおっさん――
もとい、このフジイ芸能事務所の社長・藤井 正は、悪びれた様子もなく偉そうにそう言った。
「2、3年前って……
ちょうど!私が!スカウトされた頃!ですよね!?」
胸まで真っ直ぐに伸びた長い黒髪を揺らして、年季の入ったデスクをバンバン叩く。
ガタつくステンレス製の机面が立てる大きな物音に、社長は煩わしそうに眉を顰め耳を塞いだ。
――私の名前は、香月 瑠奈。
つい最近17歳になったばかりの、華の女子高生。
チャームポイントは黒髪ストレートの、つやつやロングヘア。
コンプレックスは、ちょっと童顔なところ。
綺麗目メイクと服装で、上手くカバーしようとはしてる。
そして、職業は……
“一応”、女優。