台本通りの恋はしない!
3年前、14歳の夏休み。
映画を観た帰り、駅前でスカウトされた日のことを今でも覚えてる。
「芸能界、興味ありませんか?」
胸が跳ねた。
ずっと女優になるのが夢だったから。
映画の中の世界を生きる人になれるんだって、本気で思った。
――なのに。
あれから3年。
私はまだ、ほぼ一般人のままだ。
オーディションは山ほど受けた。
レッスンも研究も、自分磨きも続けた。
それなのに、チャンスの女神が微笑んでくれたことは一度もない。
――というか、
女神の微笑む先は、いつも初めから決まっている。
どんなにいい演技をしても、ヒロインを勝ち取るのはいつも大手事務所の子。
わかりやすすぎる出来レース。
それでも、いつか、誰か1人くらいは、
弱小事務所所属でも実力で起用してくれる!
……そう信じて今までやってきたっていうのに。
「事務所潰れて女優人生終了――
なんてオチ、誰が納得するんですかッ!」
がらんとしたフロアに、私の大声が反響する。
切れかけた蛍光灯がジジ、と音を立てて照明を揺らした。