台本通りの恋はしない!

「爽真くんも何か飲みにきたの?
夜中急に目が覚めると、喉乾くよねぇ」

言いながら、こてんと首を傾げる。

冷蔵庫から何か取ってあげれば、気が利いてるんだろうけど――
それをするとこの距離感が崩れるから、あえてしない。

至近距離で見つめ合い。
私はにっこり笑ったまま。

爽真はずっと怪訝な顔をして、何も喋らない。


(なにか言えよ、このやろー)


だんだんムカついてきて、この綺麗な顔にも耐性がついてきた。

と言うかこいつ、裏でもこれなの?

今までどうやって生きてきたの?
まさか、顔の良さだけで生きてきたわけじゃないよね?

頭の中でとめどなくディスが溢れてきて、危うく口からこぼれそうになった。

もういい、やめだ。さっさと切り上げよう。

そう思って爽真から視線を外して、冷蔵庫の扉に手をかけた時――


「それ、わざとやってんの?」


爽真の手が、私の髪を掬った。

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