台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
お行儀よく膝に置いた手の指が、トントンとそこを叩く。
テーブルいっぱいに広がるお土産に一通り目を通したひよりが、ソファの背凭れに生えている紙袋の取っ手を見つけた。
「……あれ?そういえば、爽真くんが持ってたあれもお土産ですかっ?」
テーブルを囲むみんなの目が、ソファに向く。
そこに置かれていたものを認識した彩加が、急に笑い出した。
「あぁ、あれ!あれはさ、……ふふっ。
くじ引きの景品!」
……なにがそんなに可笑しいの?
1人で腹筋を震わせて悶えている彩加に、留守番組はみんなして首を横に傾ける。
「悪い奴だなぁ、彩加」
そう呆れながら、大和が紙袋を回収しに行く。
お菓子の箱を退かしてテーブルの中央にそれを置くと、みんなで中を覗き込んだ。
「……ぬいぐるみ?」
4人の声が綺麗に揃う。
そのワードを聞いて、彩加がふーっとまた噴き出す。
紙袋の中には、海の生き物の絵柄のピンバッチが3つ転がっている。
そしてその中央に、大きめのラッコのぬいぐるみが鎮座していた。
「ウチら全員ハズしたんだけどさっ……
そのぬいぐるみ……っ、唯一当てたのが、爽真なの……ッ!」