台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「おはよっ紫苑くん♡早いねっ
あっ、そっか!朝食当番かぁ♡」

気まずそうにしている美玲の横を通り過ぎて、真っ直ぐ紫苑の元に駆け寄る。


カメラはまだ、回っていない。


それなのに紫苑はわざわざチラチラと美玲の反応を気にしているフリをしながら、私の接触を拒まない。


「おはよう……
……美玲ちゃんも!ごめん、待たせたよね?
朝ごはん、作ろっか」

紫苑は私の手をさりげなく解いて、美玲の隣に並ぼうとする。

「あ、……ううん。大丈夫。
今日は何作る?紫苑くん」

美玲はまだ状況に馴染めないまま、とりあえず笑って流れに乗ろうとする。


「ねぇねぇ紫苑くん。瑠奈ぁ、今日紫苑くんと2ショットタイムしたいんだけど、いいかなぁ?」

2人の後を、ひよこみたいにしつこくついていって。


「え?あ……うーん……」

「あー。2ショットタイムには拒否権ないんだよー?」

「まぁ、そうなんだけど……」


好きな子の目の前でしつこく迫られて困る王子と、
状況なんてお構いなしにグイグイアタックする悪女。



“アオバケ成功と、俺たちの今後のためにどうすればいいか。
考えようね?香月さん”



――さぁ、次に話すべきは、紫苑。
それから、巻さんだ。

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