台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「瑠奈が本音を渡せる相手は、俺だけだったはずだろ」
感情の決壊を堪えるために抑えた声は、悲痛な叫びにも似ている。
手に絡む熱と一緒に胸に届いて切なく揺さぶってくるから、私まで泣きたいような気持ちになった。
「……そう思ってるなら、なんで、」
震える唇から、我慢していた言葉が溢れ出す。
やめた方がいいってわかっているのに、抗えない。
自分でも無意識のうちに、爽真の手を握り返してしまっている。
「なんであの時間に来なくなっちゃったの?爽真……!」
ぐずぐず。ぼろぼろ。
かっこ悪い。
これ以上崩れたくなくて力一杯爽真の手を握りしめて、強がって顔を上げる。
ずっとそうしたかった。
離れてから、何回もこの手を求めてきた。
だけど爽真は違うからって、そうやって自分を納得させたのに。
爽真の目が見開き、一瞬の間が落ちる。
絡め合った手を引かれて、後頭部にもう片手が回って――
瞬く間に距離がなくなった。