台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「……なんで俺には言わなかった?」
「だって爽真、深夜に来なくなっちゃったじゃん」
「……。なんで紫苑に頼ったわけ」
「飛び抜けて演技が上手いから。頭も回るし、何より紫苑と口裏を合わせた方が、私が狙う状況を作りやすい」
「……」
爽真が完全に黙り込む。
複雑そうに口を結んで、何かを堪えるように眉間に手を当てた。
「あとはまぁ、紫苑に告白されたりとかもあったけど。
そんなところかな、私が爽真に言ってなかったことは」
「ちょっと待て。告白?」
急に鋭くなった爽真の声色に、空気が止まる。
何事かと爽真を見れば、気が気じゃないと余裕のない仏頂面。
何かまずいことを言ったかと、ひくりと口端が引き攣った。
「いつ」
「ええと…、数日前?」
「返事は」
「まだ……」
「なんて返すつもり――……」
尋問のような迫力に圧されていると、爽真が急に話すのをやめる。
睨むような目をやめて、少し考え込んで息を吐いた。
「……いや、それを聞くのはずるいか」
「?」
急激にトーンダウンした爽真を、訝しげに見つめる。
少しして、繋いでいた手に指が絡んでくる。
体ごと私に向き直った爽真の顔は、今までにないくらい真っ直ぐで真剣な顔だった。