台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
――……
ダイニングテーブルに、全員が着席する。
真ん中に紫苑、その目の前に爽真。
紫苑の隣には大和。その隣に彩加。
爽真の隣には陸と美玲。
陸の隣にひより。
たった一つ空いている席が、空気の重さをより大きくしていた。
「――早朝。スタッフを通して、香月さんに呼び出されたんだよね」
世間話でも始めるかのような軽さで、紫苑が切り出す。
その姿勢はいつになく投げやりで、膝の間で組んだ自分の手を見つめている。
「瑠奈に?なんで?」
間髪入れずに爽真が突っ込む。
不機嫌丸出しの爽真と、普段の爽やか王子とはまるで違う紫苑に、泣いているひより以外全員が静かに動揺している。
「告白の返事がしたかったんだってさ」
「告白!?!?」
彩加と陸の声が重なって、ひよりの涙もピタリと引っ込む。
美玲と大和も目を丸くして驚いていたけれど、爽真だけは不機嫌そうに黙っているだけだった。
「え゛……誰が、誰に、ッスか?」
「俺が、香月さんに」
「え゛っっ」
雷に打たれたように衝撃を受ける彩加と陸、ひよりをぐるりと見渡して、紫苑は状況を嘲けるようにハッと笑う。
「美玲ちゃんとの純愛は、全部演技。
俺と美玲ちゃん、それに爽真と瑠奈ちゃんは、最初から台本に沿って恋愛ごっこをしてたってわけ。」
「演技!?台本……!?」
彩加が衝撃を受けた顔をして頭を抱え出す。
ひよりもハッとした顔で口元を抑えて、陸もわけがわからないと言う顔をした。
「そ。アオバケには番組を盛り上げる主軸の恋愛ストーリーが、最初から仕込まれてるの。
俺と美玲ちゃんの純愛。そこに横恋慕する瑠奈ちゃんと爽真。それが二期のストーリー」
淡々と話す紫苑のそばで、美玲と大和は気まずそうに重苦しく俯いている。
「……今の反応を見るに……大和も知ってたの、かな?」
怖いくらい光のない蜂蜜色の瞳が、隣にいる大和に向く。
突然向けられた矛先に、大和の表情が固くなる。
きょとんとしている何も知らない彩加を盗み見て、観念したように眉を下げ脱力した。