台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「……うん、知ってた。俺は一期の台本持ちだったから」
「えっ」
息を呑んだ彩加が、大和に釘付けになる。
大和は静かに立ち上がると、隣にいる彩加にきちんと体を向ける。
そして、深く頭を下げた。
「ごめん!彩加。一期の撮影期間、たくさん励ましてもらってたけど……栞とのこと、あれ、全部嘘だったんだ」
大和が頭を下げるのを止めようとして中腰になった彩加が、その態勢のまま辛そうな大和の顔を見上げて困惑している。
大和は静かに姿勢を戻すと、まっすぐに彩加を見つめた。
「いつか打ち明けないとって思ってた。
ただ、彩加に励まされてたことが俺の支えだったのは本当だから……だからどうしても、彩加には嫌われたくなくて」
「……正直、びっくりはしたけど……」
少しの沈黙の後、彩加が遠慮がちに大和の指先を掴む。
びくりと審判を待つ大和の肩が揺れた。
「ずっと黙ってなくちゃって、苦しんでたなら。
……むしろあたしこそ、何も気づかなくて……ごめん」
大和の目が見開いて、ほんの少し瞼が震えている。
目の前で始終を見ていたひよりがまた泣き出して、美玲も束の間の安堵に微笑む。
状況についていけない陸が周りをキョロキョロと見渡せば――
白けた顔で斜め上を見ている紫苑と、まだ苛ついている爽真が同時に目に入って、びくっと椅子から腰を浮かせた。
「もういい?」
「本題に戻りたいんだけど」
紫苑と爽真の声が重なって、向かい合わせの視線がピリつく。
「あ……ごめん……」
和みかけた空気が一瞬にして重くなって、大和が気まずそうに静かに腰を下ろした。
紫苑の視線が、改めて周囲へと戻ってくる。
仕切り直すように小さく息を吐き出した。