台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「恋リアといえば、瑠奈さん。
今日はアオバケの最終話配信日ですね」
ぴたり。
御手洗の一言に、口も体の動きも止まる。
社長に噛みついて仁王立ちになっていた両足が、しゃなりとくっついた。
「へー……そうね。確かに。そうだったかも」
忘れてたぁ、なんてわざとらしい笑いを漏らす。
うふふ、なんて普段しない笑い方をする私に、御手洗が呆れてため息をついた。
「派手にやらかしたんですから、最後くらいは観るのが筋でしょう。
僕にネット巡回させて、監視カメラのように使うのはいい加減終わりにしてください」
ぴくりぴくり。
端的で正当な言葉が胸に刺さる。
――でもさ。だって怖いじゃん。
世間の反応がってより――
残してきた人たちを見ることが。
私がいなくなって以降の撮影が配信されるのは、今日。
だから、今まで私がいなくなったあとのみんなを見る心配はなかった。
けど、それまでの軌跡は、ネット上に溢れている。
それを一目でも見たら後悔してしまう気がして、怖かった。
(緊急配信直後の反応は、見ようとしたんだけどね)
パッと開いてすぐ閉じた、匿名掲示板の画面がフラッシュバックする。
>>そうまはやっぱるなを嫌ってた、で合ってる?
――名前の3文字を見るのすら、辛くなってだめだった。