台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「……観ーる。観ますよー最終回。
共演者の勇姿はちゃんと見届けないとね」


(……今日すぐに、とは言わないけど。)


ふいっと顔を背けてオンボロソファに逃げる私を、怪訝な顔した御手洗と社長は逃さない。

「……ありゃ、リアタイはしねぇな」
「今日観るとは言ってないって逃げる気ですね」

びくっと背を向けた肩が揺れる。
ほらな、と社長の乱暴な声がぶつかった。

「おし、瑠奈。お前が1人で枕を濡らさないように、ここを貸してやる」

「泣く前提やめてくれますか?」

「鑑賞会だ、それで観れんだろ」

「……それって残業代出るんですか?」

「ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ」

「とりあえず瑠奈さんの保護者様には、仕事で帰る目処が立たないことだけ連絡しておきますね」

――――
――……

で、現在20:55。
アオバケの最終話、配信開始5分前。

がらんと人気のなくなった事務所のワンフロアで、私はなぜか1人でオンボロソファに座って配信待機している。

20:00頃までは社長も御手洗もいた。
私に五千円渡してコンビニでご飯買わせたら、あのタヌキ、速攻帰宅。

御手洗はいてくれたけど、5分前になった途端に別フロアで仕事するって消えやがった。

(何がアットホームだ。ふざけるな!)

――そうは言っても、五千円、貰っちゃったし。

(……まぁ、家で見るより冷静でいられるか……)

諦めて肩を落とした時、配信待機画面に再生マークが表示された。
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