台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
躊躇う指が、恐る恐る再生マークをタップする。
指が画面から離れた途端に、鳴り響く何度も聞いた爽やかなOP。
最終回だからOPの最中にも、あの1ヶ月がダイジェストのように映し出される。
みんなで並ぶ画の中に爽真を見つけて、心臓が跳ねたと同時に思わず一度アプリを閉じた。
「……っ、」
やっぱり心の整理ができてないのに、観るべきじゃなかった。
目を閉じて、息を吸って、吐いて。
目を細めながら、もう一度画面を動画に戻す。
一時停止画面に映る、初対面の頃の爽真。
あの時は空気も読まず無表情で毅然としてるな、なんて思ってたけど。
今見ると、なにかに苛ついてる顔だなってわかってしまって、切なくて指でその姿を隠した。
指が画面に触れたら当然、動画の再生が再開される。
キラキラとした青春の曲と、見覚えのある名シーンダイジェスト。
観てられなくて、でも飛ばせなくて。
『瑠奈だけの王子様を見つけるために、ここにきました♡』
視聴者を泣かせにくるかのように思い出のセリフが挟まるOPを、曲が終わるまで画面から目を逸らして耐えた。