台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―

「大和っ」

いつかみんなで描いた壁画の前で、彩加がカメラの向こうに向かって手を振る。

まずは大和×彩加のターンか。
これは告白の前段、最終日前の彩加の最後のアピールタイムだ。


「彩加から呼び出されるの、何気に初めてじゃない……?」
「うわ、確かに。そーかも」


らしくなくドギマギしてる大和と、あっけらかんとしてる彩加。
温い沈黙に、彩加が潮らしく笑った。


「多分さ、あたし。大和ってやっぱり、まだどこかで栞のこと好きなのかなって思ってたんだと思う」

――だからこの間の話、結構救われた。
という心の声は、私も視聴者も知らないことだけど。


向日葵みたいに彩加の笑顔が明るくなる。


「だけどさ。大和の本音、聞いてみたいっ!
もっともっと大和のこと、知りたいって思ってる」


彩加に向き合う大和の顔が、救われたみたいに崩れていく。
俯いて、控えめに彩加の指先を握った。

「……うん。明日、ちゃんと伝えるから。
――待ってて、彩加」


言った直後、切り替わる大和×彩加の軌跡を見せるダイジェスト。
終わったあとには、青い海をバックに白い砂浜で向かい合う2人が映っていた。
< 790 / 816 >

この作品をシェア

pagetop