台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
さっきの2組より壮大なダイジェストが終わった後、最初に映ったのは人払いされたリビング。

テラス越しに海を臨む大窓の前に、爽真と美玲が立っている。


「呼び出してごめんね。
最後に、爽真くんとも話したいと思って……」


何度見ても、静かで穏やかで絵になる2人。
紫苑×美玲のような王道の華やかさはないけれど、これはこれで2人の恋の成就を期待したくなる絵面の強さだ。

「……うん」

感情が全く読めない爽真が、淡白に頷く。
淡い恋の緊張感とは違う、2人とも覚悟を決めているかのような空気感。


「最初はね、何考えているのかなって思ってたよ」


美玲は静かに笑う。
前に組んだ手をきゅっと握るのは、緊張している彼女の癖だ。

「いつも飄々としてるし、1人だし。
でも全然平気そうで。……だけど私、輪の外に自ら身を置く爽真くんを、どうにかしなくちゃって思った」


――台本通りの、美玲のストーリー。
だけどそのセリフには、所々本音が混ざっている気がする。


「だけど、話せば素っ気ないけどちゃんと応えてくれる。
海で転んだ時、すぐにタオルを取りに行ってくれたり……そういうさりげなさが、少し気になっていたのは事実なの」


……美玲。本当に上手くやるようになった。

だってそれよりずっと前から、あなたは爽真を好きだったんでしょ?

それを、ちゃんと元のストーリーから逸脱しすぎないように、上手に隠して本心を渡している。
< 794 / 816 >

この作品をシェア

pagetop