台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「……それで?批判しに来たんでしょ。どうぞ?」
顔を逸らしたまま、返ってくる言葉を待つ。
目を合わせなければ、何を言われてもきっと耐えられる。
爽真が一歩距離を詰めた、コンクリートが擦れる音がした。
「……何も言わずに勝手に消えるな」
毅然とした低い声に、肩が跳ねそうになるのを堪える。
「ひとりで勝手に全部の責任を背負うな」
ズキンと胸に、痛みが落ちる。
強気に寄せた眉が、僅かに弱気を滲ませた。
「人の感情を勝手に決めるな」
爽真がいま、どんな顔をしているのかわからない。
強情に目を合わせようとしない私に、爽真の手がそっと伸びる。
「……これで、最後」
警戒していなかった頭に、爽真の手がポンと乗る。
私の頭の形に沿うように、死ぬほど優しく手を添えられた。
「好きって言うなら、直接俺に言え」