台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
「嘘泣きかよ!やっぱお前だけは信じられねー!」
「陸くん本気で慌てるんだもん。あー、面白かったぁ。」
チラッとカメラの位置を確認。
ちょっとは楽しそうに見えるかと、心の中で頷く。
ザザーン。
言い合う2人の足元を、波がさらっていく。
まだ山でしかなかった私たちの城が、波の中に溶けていった。
「あーあ。なくなっちゃった。
はい、陸くん。もう一回頑張って♡」
パチパチと手を叩いて、明るく陸のことを煽る。
「はぁ!?瑠奈もやるんだよ!」
「えー。でも瑠奈、手汚れるのやだもん♡」
「ふざけんな!マジメにやれッ」
私たちのやりあう声が、白と青のコントラストが強い夏空に抜けていく。
「お前に!だけは!もう絶対騙されねー!」
「えー、どうだろ?陸くんって単純だからな〜」
もう砂の城の仕上げにかかっている他のペア達が、何事かと不思議そうに振り向いた。