台本通りの恋はしない!―仕組まれた恋リアで、本気で恋しちゃダメですか?―
――ふっ、と爽真の唇から息が漏れる。
その目元が、ほんの少しだけ緩んだ気がした。
「……なんで笑ってんの」
唐突すぎて身構える。
「いや、」
言葉を紡いだ唇が、ゆっくりと、でもはっきり弧を描く。
「こういう話なら食いつくかと思って振ったら、案の定だったと思って」
――ハッタリ……!
気付いた瞬間、反射的に一気に後ろに飛び退く。
やられた。
今の話は私の素を引き出すための罠だ!
「帰る!」
「は?」
鼻息荒く踵を返す。
こっちは本気で動揺したのに!
だからこそ本当に腹が立って、また感情をぶつけてしまう前に階段へ向かう。
――その腕を、大きな手が掴んできた。