明日マネージャーやめます!
 途端に曇る女子の顔。

 「え…橘くん、編み物趣味なの…?」

 「え…うん、まぁ…」

 「えー、イケメンなのにもったいない…」


 …勿体ない?


 その言葉の意味が分からず、俺は一瞬フリーズした。


 勿体ないってどういうこと?編み物ってなんか悪い事なのかな。


 グルグルと頭の中で考えていると女子は落胆した目で俺を見て言った。

 「かっこいいんだからさぁ、もっと違う趣味にしなよ、スポーツとかさ!編み物とか趣味が女の子すぎてちょっと引く。」



 その言葉は、まるでハンマーのように重く、痛く、強く、俺の頭を打ち付けた。


 今まで、人からこんな負の目を向けられたことがなかった。―――故の、恐怖だった。


 もしかしたら、これが原因で嫌われてしまうのではないか、という。


 地面がグラグラと揺れるような感覚と、突き刺すような女子の視線。

 乱れそうな呼吸を整えて、俺は拳をギュッと握ると、リュックにつけていたキーホルダーをちぎりとった。
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