銀白虎





「うー…!」



もし、もし、

アタリとか出てしまったらどうしてくれようか。


……破り捨てるか。



…よし…っ!




「あー飛鳥外れだよ〜!残念だねぇ」


ふぬ?


「飛鳥遅いから、あたしが代わりに引いといた♪」



亜美がにこっとしながらそう言う。



そ、そうですか…。


なんとなく脱力。


まぁ、いいか。

ハズレだったし。




「じゃあ今度はあたしの分〜♪」


と口ずさみながら、ウキウキな亜美。

そうか、そういえばこの子も王子ファンの1人だった…。


本性を教えてやりたい。

健気な姿に、後ろから見ていてほろりと涙が出て来るぜ。



「…うっそ!」


亜美が驚いた声を上げた。





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